ArtNote/美術運動/シュルレアリスム
MOVEMENT

シュルレアリスム

Surrealism
1924–1960s フランス 収録作家 65人

シュルレアリスムは、一九二四年にパリで宣言された、美術と文学にまたがる運動である。詩人アンドレ・ブルトンが起草した宣言がその出発点で、理性や道徳、習慣によって整えられる前の心の動き——夢や無意識——にこそ人間の真実があるとし、それを取り出す方法を探した。第一次世界大戦がもたらした破壊のあと、理性を信頼してきた文明への不信が広がっており、その反動という側面が強い。先行するダダの破壊的な身振りを引き継ぎつつ、破壊のあとに何を置くかを考えた運動でもあった。

方法として重視されたのが、自動記述(オートマティスム)や、無関係なものを並べて意味を衝突させるデペイズマンである。フロイトの精神分析が広く読まれたことも背景にある。絵画の先例としては、人気のない広場に長い影を落とすデ・キリコの画面が、宣言以前から彼らに強い印象を与えていた。表現の幅は大きく、精密な写実で不可能な光景を描く方向と、抽象的な形態が有機的に増殖していく方向とが並んで存在した。

絵画ではダリ、マグリット、エルンスト、ミロ、タンギーらが知られる。マグリットが日常の事物をわずかにずらして見せるのに対し、ミロは記号のような形が漂う画面をつくった。同じ運動の名で括られていても、その画面は驚くほど違う。写真や映画、彫刻、そしてファッションへも波及し、その領域の広さがこの運動の特徴でもある。運動は展覧会を国境を越えて重ねながら広がり、第二次世界大戦で中心人物が亡命したことで、その活動範囲はさらに拡大した。

シュルレアリスムは、二十世紀後半の美術に「見えているものが世界のすべてではない」という前提を残した。広告やミュージックビデオが日常的に使う視覚的な飛躍も、遠くはここに源がある。作品を見るときは、描かれたものを解釈しようと急がず、まず自分がなぜ落ち着かない気持ちになるのかを確かめるとよい。その居心地の悪さこそが、この運動が狙ったものである。

この運動の作家

マ
マックス・エルンスト
1891–1976
ア
アンドレ・ブルトン
1896–1966
サ
サルバドール・ダリ
1904–1989
ジ
ジョアン・ミロ
1893–1983
ジ
ジョルジョ・デ・キリコ
1888–1978
フ
フリーダ・カーロ
1907–1954
ポ
ポール・ナッシュ
1889–1946
イ
イヴ・タンギー
1900–1955
レ
レオノーラ・キャリントン
1917–2011
ポ
ポール・エリュアール
1895–1952
レ
レメディオス・バロ
1908–1963
ド
ドロテア・タニング
1910–2012
福
福沢一郎
1898–1992
靉
靉光
1907–1946
ウ
ウィフレド・ラム
1902–1982
ル
ルイ・アラゴン
1897–1982
ロ
ロベルト・マッタ
1911–2002
メ
メレット・オッペンハイム
1913–1985
古
古賀春江
1895–1933
エ
エルザ・スキャパレッリ
1890–1973
ハ
ハンス・ベルメール
1902–1975
ア
アンドレ・マッソン
1896–1987
ポ
ポール・デルヴォー
1897–1994
リ
リー・ミラー
1907–1977
寺
寺田政明
1912–1989
ア
アルベルト・サヴィニオ
1891–1952
ア
アンリ・ミショー
1899–1984
エ
エドワード・バーラ
1905–1976
ジ
ジョアン・ミッチェル
1905–1959
フ
フィリップ・スーポー
1897–1990
リ
リオノール・フィニ
1907–1996
難
難波田史男
1933–1981
v
vivi社
イ
インドジフ・シュティルスキー
1899–1942
ヴ
ヴァレンタイン・ユゴー
1887–1968
ヴ
ヴィクトル・ブラウナー
1903–1966
ヴ
ヴィルヘルム・フレデディ
1909–1995
エ
エイター・ブリュン
1902–1980
エ
エコール・ド・東京
オ
オスカル・ドミンゲス
1906–1957
カ
カイ・アルテウス
1898–1963
ク
クルト・セリグマン
1900–1962
グ
グレース・ペイリー
1906–1988
ク
クロード・カーアン
1894–1954
コ
コンラート・クラーフェック
1935–
コ
コンロイ・マドックス
1914–2005
シ
シウ・ソラール
1887–1963
ジ
ジャクリーヌ・ランバ
1910–1993
ジ
ジャック・エロルド
1910–1987
ジ
ジャック・リゴー
1898–1929
ジ
ジャン=ポール・モリセット
1927–1991
ジ
ジョゼフ・コーネル
1903–1972
ジ
ジョルジオ・デ・キリコ
1888–1978
ズ
ズビグニェフ・ベクシンスキ
1929–2005
パ
パウル・エミール・ボルデュアス
1905–1960
フ
フリーデンスライヒ・フンダートワッサー
1928–2000
ペ
ペドロ・フリエデベルク
1936–
マ
マウリッツ・コルネリス・エッシャー
1898–1972
ヨ
ヨゼフ・シーマ
1891–1971
下
下郷羊雄
1907–1981

いま見られる展覧会

会期終了まで
4日
開催中2026年度 II 「言葉を観る、美術を読む」
徳島県立近代美術館(〒770-8070 徳島県徳島市八万町向寺山 文化の森総合公園内) ・ 2026.07.11 – 2026.09.30
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この解説は ArtNote 編集部が執筆しています。 誤りを報告する