MOVEMENT
バルビゾン派
Barbizon School
1830s–1870s
フランス
収録作家 7人
パリの北東、フォンテーヌブローの森に隣接する小さな村バルビゾンに、画家たちが次々と移り住んだ。彼らが描いたのは、神話の背景でも歴史の舞台でもない、ただの森と畑と農民だった。それまで風景画は歴史画や宗教画の下位に置かれ、理想化された構図の中で自然を美しく整えるものだった。バルビゾン派の画家たちは、その序列を逆転させた。目の前にある木や光や土そのものを主題として、屋外で観察しながら描くという態度を持ち込んだのである。
この転換を支えたのは、鉄道の開通によってパリから森へ日帰りできるようになったという交通の変化と、携帯用の絵具や画材が普及したという技術の変化だった。画家は工房にこもって仕上げるだけでなく、実際に森へ入り、光の移り変わりを見ながら制作できるようになった。都市化が進むパリを離れ、変わらない田舎の風景に価値を見出す感覚も、この時代特有のものだった。
テオドール・ルソーは森の木々を克明に描き、この村に画家たちを引き寄せた中心人物である。ジャン=フランソワ・ミレーは農民の労働そのものを主題にし、麦を拾う女や種をまく男の姿を、崇高さを込めて描いた。カミーユ・コローは銀色がかった柔らかな光の表現で知られ、シャルル=フランソワ・ドービニーは川辺の風景を舟の上から描くという独自の方法をとった。それぞれ自然への向き合い方は異なるが、屋外での観察と実感を絵に持ち込む点で共通していた。
この態度は、後に印象派の画家たちがさらに戸外制作を徹底し、光そのものを主題にしていく土台となった。バルビゾン派の絵を見るときは、遠くから眺めて主題を読み取るよりも、絵肌に近づき、木の葉や土の質感がどう筆で作られているかを確かめるとよい。派手さのない画面の奥に、自然を見つめ直す静かな態度が刻まれている。
この運動の作家
カ
カ
ジ
ジ
テ
テ
シ
シ
シ
シ
ジ
フ
ジ
フ
カミーユ・コロー
1796–1875
カミーユ・コロー
1796–1875
ジャン=フランソワ・ミレー
1814–1875
ジャン=フランソワ・ミレー
1814–1875
テオドール・ルソー
1812–1867
テオドール・ルソー
1812–1867
シャルル=フランソワ・ドービニー
1817–1878
シャルル=フランソワ・ドービニー
1817–1878
シャルル=エミール・ジャック
1813–1894
シャルル=エミール・ジャック
1813–1894
ジュール・デュプレ
1811–1889
フォンタネージ, アントニオ
1818–1882
ジュール・デュプレ
1811–1889
フォンタネージ, アントニオ
1818–1882
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この解説は ArtNote 編集部が執筆しています。
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